ABOUT Pose Doll

ポーズ人形・フランス人形とは・・・?

昭和30〜40年代中頃まで、一般家庭で大流行した日本製のお人形です。平均身長は、50cm以上とかなり大きめですが、当時は応接間やピアノの上、玄関、床の間などに飾られ、それは高度経済成長期の豊かな暮らしの象徴でもありました。日本人形店や、デパート、玩具屋、土産屋などで販売され、新築祝いや出産祝いなどのご贈答用に使われることも多かったようです。着せかえ人形とは異なる、インテリアとして鑑賞するためのお人形です。

ポーズ人形とフランス人形のちがい
疎体の作りは同じものでも、当時のファッション誌に出てくるようなワンピースやミニスカート姿のものを、「ポーズ人形」、舞踏会風なドレス姿のものを「フランス人形」と呼びます。
材料と仕様
顔は、布を熱で型押して凹凸を出したマスクが使われ、表情は水彩絵具で描かれています。手足は、縫い合わせた肌色のジョーセット生地の中に、脱脂綿に包んだ針金の芯材が入っています。足もとには、木やプラスティックの円形の台、もしくは、セルロイドの四角い台が付けられ、足の針金を台に刺して固定してあります。芯材の針金は固めのものが使われているので、自由にポーズを変えられるのではなく、ポーズをつけて立っているということから「ポーズ人形」と呼ばれているのでしょう。
マスクのルーツ
それまでの日本の布人形の顔は、糸で縫いとめることで凹凸を出していましたが、昭和初期に婦人運動家の上村露子氏が、フランスのブドワール人形のマスクと同じ製法を、日本の人形にも取り入れたことが始まりとされています。
変遷
昭和初期に作られたフランス人形は、頭身のとれた貴婦人のようなスタイルで、目の表情もブドワールに近い上目使いのものでした。その後、きいちのぬりえのような、足の太い少女人形が作られるようになり、昭和30年代中頃になると、少女漫画の影響からか、星が散りばめられたつぶらな瞳、大きめの頭にスラリと足の長いポーズ人形が作られるようになりました。
ケース・箱
全て布でできている人形なので、ほこりから守るため、ガラスケースや塩化ビニール製の円形ケース付きのものもあります。ケースのないものは、人形柄などの紙製の化粧箱に入っています。
ポーズ人形の種類
台に足を前後に開いて立っているスタンダードなものから、椅子に座っているシリーズ、安座しているマスコットタイプのもの、ギターを持ち、プラスティックの台座の中にオルゴールが内蔵され、メロディとともにゆっくり回転するものなど。

  • フランス人形のある懐かしい部屋

  • ポーズ人形が飾られた想い出の玄関

  • マスクを使ったブドワール人形

  • ケースに入ったフランス人形
    (左)木枠のガラスケース、
    (右)塩化ビニール製の円筒形ケース

  • 椅子に座ったシリーズのポーズ人形
  • 『少女スタイル手帖』
    (河出書房新社刊)より 
    撮影:中山かつみ
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